ORIGINAL FABRIC

一生愛せる、生地

「尾州(びしゅう)」は「英 ハダースフィールド」、「伊 ビエラ」と並び世界三大毛織物産地と称されています。
尾州とは愛知県尾張西部から岐阜県西濃地区までの地域の総称です。
尾州は木曽川の豊かな水に恵まれ、糸、織物の染色加工や仕上げ、整理に適しています。

尾州の伝統的な風景であるノコギリ屋根

ビジネススーツ向けのKINDWAREオリジナルファブリックの開発にあたり、尾州という地域の選択は必然でした。純国産にこだわった訳ではなく、最高のスーツを仕立てる上で必然だったのです。 尾州のいくつかの機屋には、誰もが知る世界のラグジュアリーブランドがこぞって訪れます。 理由はただ一つ。世界最高クラスの生地を手に入れたいからです。

KINDWARE オリジナルファブリックの開発

昔のスーツは何年も着こむことで自分の形に馴染ませていくものだったと言われます。
今よりもスーツが貴重な時代ということもあったのでしょうが、当時のスーツには、時間をかけて風合いを殺さずに作られた素材が使われています。
そのような素材は、ハリコシに富み、何年も着続けることで味が出るのです。

そのように糸・紡績・織りに至るまで、何十年も着続けることができる“一生モノ”の生地を目指し、尾州の機屋をいくつも訪問しました。
KINDWAREには世界最高レベルの縫製工場「那須夢工房」があります。最高のスーツを作るには、最高の生地が必要だったのです。一切の妥協はできませんでした。

左:職人と話す山田社長

多々ある機屋の中、KINDWAREの想いに共感して頂いたのは、山栄毛織の山田社長でした。山栄毛織は1915年に創業。本年で104年目の歴史を持つ老舗・機屋です。 山田社長は最初に話を聞いて頂いた際に、「挑戦する想いが大切。一緒にやりましょう。」と言われました。 ここから、KINDWAREオリジナルファブリックの挑戦が始まったのです。

(左、右)本年で創業104年を迎える山栄毛織の外観

目指したのは手織りの風合い・手触り

KINDWAREオリジナルファブリックは、手織りの感覚に近づくよう、特殊な設定が施された織機で製織されています。
この織機では、あえて最低速の設定で製織することによりウール本来の膨らみとコシを最大限に活かした生地を作ることができます。

超低速で織られた生地は、糸に余分なテンションをかけずに製織されるため、密度が高くてもしなやかでふんわりと空気を含ませて織り上げたような生地になります。時間も通常の約3倍かかりますが、風合いを追求する上で欠かせない工程です。

今回、KINDWAREが目指す最高の生地を、日本の尾州で織り上げる。その想いをオリジナルデザインの「耳」に込めました。

こだわりの経糸

今回のオリジナルファブリックは、糸から生地を見つめ直しました。目指したのは雰囲気のある、オーセンティックな魅力を持つファブリック。
フラットで均一な色味ではなく、深みのある理想のオリジナルカラーを出すため、トップ染め(綿染め)と呼ばれる染色方法を用いました。

トップ染めとは、まだ糸になっていない原料を束ねた状態で染めます。 糸の段階で染色する「糸染め」よりもさらに前の段階です。

これによって 様々な色味を持つ糸が出来上がります。 また通常のトップ染めとは異なり、単なる白と紺のミックスカラーではない、油絵の様に何色もの色が重ねられたような独自の深みのあるカラーで糸を紡ぎました。

トップ染めは糸染めや生地が織りあがった状態で染色する「後染め」にくらべてコストがかかりますが、その分 色抜けがしにくく、長年 着続けても色が変化しにくい強みがあります。

今回発表する5柄には、このオリジナルカラーのトップ糸を経糸に使用し、織り上げています。

仕上がった生地を見て、山栄毛織の山田社長から思わず、「この生地でスーツを仕立てたい」というコメントを頂きました。

この言葉が全てを表しています。